“良いお年を”の季節 素晴らしかったオーケストラアンサンブル金沢の上越公演。

2016年12月2日(金曜日)

12月の足が進む。
本日、在宅の回診で「先生も良いお年を」と言われた。
暖かな気持ちを感じながら、あと少し、今年も大禍なく
過ぎて、とかえって気持ちが引き締まる。

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夕刻に訪れたグループホームの街灯。

仕事が終わって慌てて上越文化会館へ向かった。
18:30からオーケストラアンサンブル金沢の公演がある。
1988年創設当時、日本初のプロによる室内オーケストラ
としていっそう金沢市と石川県の名を全国に知らしめた。

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コンサート会場への階段。

創設間もない頃一度聴いたことがあったが、当時より
団員数、音ともにスケールアップされたように写った。

1.歌劇「どろぼうかささぎ」序曲/ロッシーニ。
勇壮なマーチ風の序曲は左右の小太鼓の連打が本
日の開演をも高らかに告げる。

2.ピアノ協奏曲第26番ニ長調「戴冠式」/モーツア
ルト。
今日人気実力ともに日本を代表するピアニスト・菊池
洋子さんを迎えてのコンチェルト。
繋いでは離れ、離れては出会う両手、スケールを追っ
て鍵盤を走る指が流麗に音を紡ぎ、フィナーレまで耳
を捉えて放さない。

2’アンコール  ワルツ/ブラームス
赤いドレスをまとったすらりとして美しい菊池さんは本
当に優雅で滑らか、ステージにふわりとワルツを浮遊
させる見事な演奏だった。

3.歌劇「ウイリアム・テル」序曲/ロッシーニ
チェロのソロから6人のチェロパートへ、低音部が朝を
告げて始まる序曲は、嵐、牧歌を経て勇壮なギャロッ
プへと高らかに入って行く。
各部は映画、ドラマ、アニメ、コマーシャルなどを通し
てさまざまに耳にしていたが叙事詩的序曲を全て聴く
のは初めてであり、とても幸運だった。

4.交響曲第36番ハ長調「リンツ」K425/モーツアルト
結婚の報告で故郷ザルツブルグに滞在の帰路、リンツ
の伯爵家の歓待に応え、わずか5,6日で仕上げたとい
う交響曲。
金の波銀の波、金の渦銀の渦、寄せては返す音の芳
醇さに圧倒される。

ビロードの音と称されるオーケストラアンサンブル金沢。
年の終わりにふさわしい豊かな音楽で心満たされた。

40人もの演奏家が来越して披露した素晴らしい演奏、
もう少しお客様が入っていればと、いささかの残念を禁
じ得ない。

切符を世話して下さったKご夫妻、本当に有り難うござ
いました。

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