2016年4月22日

齋藤三郎(陶齋)の赤絵金彩の壺には何が書いてあるのか。

2016年4月22日(金曜日)

樹下美術館今年の陶芸展示は「陶齋の赤」です。
展示順No2は「赤絵金彩椿詩文文壺」です。

名は長いのですが、赤々とした小ぶりな壺です。
赤い地に呉須(ごす・藍色の顔料)で椿が二輪描かれ、
金彩で詩文が書かれています。

何と書いてあるのでしょう、とお訪ねされる方がおられ、
本日取り上げてみました。

 

椿詩文壺赤絵金彩椿詩文文壺 縦12,3×幅12,2㎝

詩文の読み↑読みです(窯を築き→窯をつき と読ませています)。
戦後雪国のつましい生活の中で奮闘する
陶齋の様子がありありと窺われる文です。

友人が贈ったものと聞きますが、内容のこまやかさと
慎ましさから、本人の作ではと思うことがあります。

 

以下はこの詩文の版画です。
丈夫な和紙に刷られた版画は焼き物を求めると器に添えられました。
昭和20年代中頃~後半より用いられたと考えられます。

詩文・此の男云々
↑版画「この男云々」 縦28,7×幅41,5㎝

18
↑同版画の文字だけの版。 縦18,8×27,8㎝

版画は味わい深く人気があり、当館では掛け軸にしています。

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