モミジの落葉は自己完結型? もしかしたら落ち葉は遠くへ行かない?

2015年11月24日(火曜日)

今日は気温が下がり、空がひゅーっと、海がどーと鳴る強風の日でした。
昨日に続いてモミジの落ち葉でとても恐縮です。

さて午後に寄った美術館ではやはりカフェの前のモミジの落ち葉に目が行く。
カフェに沿った芝生に散ったモミジは北風に吹かれて昨日より南に広がっていた。

しかし強風であるにもかかわらず葉はなぜか大きく移動していない。
見ていると風に吹かれて一つまた一つ、葉が立ったものが飛ばされるが近くに落ちて止まる。
その結果、遠くで吹き溜まることなく一様に分散しているように見える。

遠くへ飛ばないことは一つに雨が、もう一つは芝生のせいもあろう。
目に付いたことに、葉が芝生に刺さるような状態で散乱しているものが多い事だった。
モミジ(楓類)の葉は5裂、7裂などに裂けて先端がとがっている。
さらに長い葉柄が付いているのでよけい芝に刺さる、あるいは引っかかりやすくなっているようだ。

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018刺さる、引っかかる、あるいは抱きつくように落ちているモミジの葉。

たとえばこれが芝生以外の自然であれば、葉は他の落ち葉や枯れ枝、土塊あるいは草木の幹や茎の中に落ちることだろう。
その中でモミジのように鋭い切れ込みを沢山有しているものは、他(けやきなど)よりも障害物に引っかかりやすく思われる。
その結果さほど遠くへ飛ばず、しかも絡み合って集まりやすいのではないか。

020強い風にもかかわらず落ち葉は樹の下で多く重なり合っている。
明日はどうなっているだろう。

そもそも落ち葉は朽ちて自ら木の肥やしになる仕事がある。
もしかしたらモミジは葉を遠く分散させず、もとの木に対する肥料効果を高める戦略を取っているのでは、と想像してみた。
その点、人間で言えば自己完結的なタイプなのか。

居合わせたスタッフに話してみたが、ハー、という低調な反応だった。

こうなるとケヤキやブナなどは落ち葉を広く融通しあい、集団で森全体を支える仕組みをとっているようにも見えてくる。
芝が乾燥した日の強風のモミジや、来季のケヤキの様子も見てみたい。

いよいよ名実とも冬入り、明日は更に冷え込むようです。

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