2015年2月16日
ハイビジョン特集「堀口大學 遠き恋人に関する調査」の再放送 マリー・ローランサン詩畫集。
去る1月15日と23日の当ブログGoogle Analyticsの解析が普段みられない数字に跳ね上がった。後でNHKBSの放送で堀口大學に関する110分番組が2回あり、視聴者が「堀口大學」のネット検索をされた結果だったことが分かりました。
番組はNHKBSプレミアムアーカイブス ハイビジョン特集「堀口大學 遠き恋人に関する調査」でした。
午前9時の放映直後から3倍4倍とビジター、ビュアーが増えたことは、テレビを見ながらスマホで調べるスタイルの人が少なからずいるということがうかがわれました。視聴者が勉強家であることや、番組内容が良かったことも想像されました。
ためしに「堀口大學」を打ってみますとYahoo!の7番目にGoogleは3番目に当ブログ「花はいろ 人はこころ、、、 堀口大學の詩 年と共に響く言葉。がありました。とくにGoogleでは松岡正剛氏の記事の下にあり恥ずかしくも光栄でした。
それなのに私たちは貴重な放送を二回とも見ていませんでした。幸い友人ご夫婦が再放送を録画されていて、昨日念願の映像を拝見に伺ってきました。
取材記者の西島秀俊がマリー(ローランサンの娘の設定?)という女性と出会い、そのまま過去の堀口大學とローランサンの場面に移行したり戻ったり時空が変わる。大學の研究者長谷川郁夫氏や堀口すみれ子さんのインタビューを挟み多次元的な構成で重厚な小説のようでもありました。
若き堀口大學とマリー・ローランサンのマドリッドとパリに於ける親交は恋人同士という言われ方もあります。恋に確証があるわけではありませんが、日本最初の外交官を父に持つ詩人とパリの女神的女流芸術家の交わりは、薄絹で包む如く詩的(部分的にはどきっとするエロティズムもあり)、かつ恋の香りを漂わせて伝えられました。
登場した二人の人物が良く、海外のロケも緻密で美しく、楽しい110分でした。
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ところで二人に相応しい本「マリイ・ロオランサン詩畫集」が昭和11年堀口大學訳詩で編纂されています。
知られている「鎮静剤」や「日本の鶯」ほか8篇の詩と23の挿絵が含まれ、三人の詩人の献詩が加わります。
(版により絵の数は異なるようです)
樹下美術館の開館当時に買った「マリーローランサン詩畫集」
(編譯者:堀口大學 昭森社1936年発行 限定700部 手許の本は616番です)
表紙の拡大(さらに大きくしてご覧下さい)
MARIE LAURENCIN 詩畫集 堀口大學譯編 ギイヨオム・アポリネエル ジャン・モレアス序詩
挿畫原色四葉 コロタイプ十二葉 凸版十一葉 限定七百 内局紙版百 木炭紙六百 とある。
※コロタイプ:ゼラチンの物性と感光剤の調整で印刷される技術。階調性に優れ明治大正時代を中心に用いられた。
※凸版:原稿の濃淡を網点や線の大小で現す。コロタイプより階調性は乏しいが強い。
※局紙(きょくし):明治初期から印刷局で株券や賞状に用いられた上質の越前和紙。
※木炭紙:クロッキーなど木炭で描くためのやや粗めの紙で、画用紙より和紙に近い。
ローランサンの恋人だったが結ばれなかった詩人アポリネールの序詩。
マリイ・ロオランサンの扇。
ローランサンへの堀口大學の献詩(三連詩の冒頭部)
消え去った虹が最も美しい。
堀口大學を謳ったローランサンの詩。
最後の2行などに年上らしいローランサンの容量が感じられる。
ヴェルレーヌ、ボードレール、ボーヴォワールらフランスの詩が日本に伝わり広まったのは堀口大學の優れた訳詩に負う所が多い。。大學の欧州時代、パリ芸術界の女神と称されたマリー・ローランサンとの親交を通して、氏のフランス文学および背後の芸術への理解はより深まったと考えられる。恋心あらばなおさらであろう。
※詩人・仏文学者で文化勲章の堀口大學は戦渦を逃れ1944年に夫人の実家である現妙高市(旧関川村)に疎開しました。その後現上越市(旧高田市)に移り1945年まで住み活躍しました。第二次大戦の戦中戦後、上越、妙高市には大學のほか画家小杉放庵、画家倉石隆、芥川賞小説家小田嶽夫、マグナム写真家濱谷浩、野尻湖に児童文学者坪田譲治、糸魚川に歌人・文学者相馬御風らがいました。
高い教養と芸才に恵まれた齋藤三郎はこれらの人たちに愛されました。遠くからは版画家文化勲章・棟方志功、歌人美術史評論家・會津八一、文学者文化勲章・佐藤春夫、日本画家文化勲章・松林桂月、人間国宝陶芸家・近藤悠三、登山家随筆家・深田久弥、農芸化学者文化勲章・坂口謹一郎、サントリー創業家の人々などが来訪し親交しました。
大きく括って疎開文化という現象は各地にあったと考えられます。その中で上越地域にはまれに見る大輪の花が咲いたのではないでしょうか。陶齋の寄与も大きかったと思われますが、一帯には文化人達を惹きつけた豊かな食と人情味あふれる文化風土があったと思いたいのです。
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