医師の寿命と健康。

2014年9月30日(火曜日)

今夕ある医師のお通夜に出かけた。
まだ50代の貴重な病院医師だった。
大変お世話になった方で痛恨の極みである。

この数年、現役の医師が重篤な病で倒れたり亡くなることが相次いでいる。
「先生は大丈夫ですか」と私を心配した後輩が見に来たこともあった。

倒れる医師たちに「無養生」という言葉は当たらない
私の知るかぎり倒れた医師達も健診を受け節制している。

万一健診を受けていなかったとすれば、そのために半日休むのなら
少しでも眠りたいという過酷な日常が想像される。

そもそも昔から医師の平均寿命は短いと言われる。
平均よりも数年から10年近く短いとも。

私は現在、美術館を営み、幸か不幸か多趣味もあって多事に携わる。
しかし昭和50年開業後の二十数年間は昼夜を問わない急患や往診に追われ、多くの胃がんも見つかった。
一日200人を越す日もあり生活のストレスは強かった。
それを越えたら医師会長が待っていた。
数年前の健診で頸動脈の劣化、老化が分かったが積年の産物に違いない。

今も外来のほか、常時30人ほど在宅患者さんを抱え特養ホームにも定期的に出る。
昔と違い、ホームでも看取りをするようになった。
近時、盆正月に5日の休みをもらうが、大抵誰かを診たり看取ったりしている。

先日、丁度私と同じ年の医師ご夫婦がカフェに来られた。
ご主人は多忙な開業の中から二つの特養ホームに出務されている。
「私たちは日帰りの旅行しかできない」と仰った。

「先生、少なくとも一泊くらいしてください、当日急変があれば私が診ますよ」
と思わず言った。
「これから小さな土地で庭づくりを趣味とし、そこに小屋を作って音楽を聴いたり読書をしたい」
とも仰った。
この医師にあらためて強い親しみを覚えた。

上越市に何十億という箱物を作る余裕があるのなら、地域医療の充実にまわらないものだろうか。

トンボとトクサある日の庭。

2014年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

▲ このページのTOPへ