2013年12月
すぎた日頃 虹の彼方に シンプルギフト 開けた国。
〝過ぎた日頃は良い日であった〟詩人堀口大學の「すぎた日頃」はこう結ばれています。
堀口すみれ子さんが著書「虹の館」の中で、沢山の詩の中から最後に掲げられました。
皆様のおかげで樹下美術館の過ぎた日頃は良かったと思っています。来る年を夢見て今年見た三つの虹を並べました。
大晦日のYou Tubeはスタンダード曲の中からOver The Rainbowです。Simple Giftsという曲と混じり合って演奏されます。
Simple Giftsはオバマ大統領の就任式でヨーヨーマやパールマンらによって編曲演奏されています。敬虔な信仰の教歌から広まった歌のようです。
You tubeで人気のPiano Guysによる演奏は新鮮です。
途中で現れるOver The Rainbowの調べが虹のように鮮やかです。
来る年は、人々の能力がより生かされる開けた国となる事を祈っています。
荒天の合間に日射し。
予報の通り雪は降ったものの、日中よく陽が射しておおかた消えてしまった。
間もなく今年も終わる。
今のところお天気に関して予報よりも穏やかに推移していて助かる。
鵜の浜温泉の夕暮れ。年越、お正月のお客様がお見えになっている。
荒海の日本海でお正月も旅情、風情ではないでしょうか。
鵜の浜温泉からいつも写真を撮っている四ツ屋浜や上下浜までは1,5キロほどです。
そして柿崎海岸や樹下美術館は6~7キロになります。
鵜の浜から樹下美術館へ、樹下美術館から鵜の浜へのお客様がお見えになるようになりました。有り難いことと思っています。
冬将軍 皆様からのお声。
予報通りの荒天。当地大潟区は厳しい寒風に見舞われたが雪は降らなかった。
夕刻の外出時、車外気温は3度まで下がっていて、いつ雪になってもおかしくない。
いつもの四ツ屋浜は徹底した荒れ模様、様々なトーンの雲が急だった。
(こんな油絵を描いてみたいと思いました)
さて樹下美術館では館内に何冊かノートを置かせて頂き、お客様から感想、随想をお書き頂いています。
このたびは7月~12月分がまとまり、樹下美術館のホームページ「お声」に掲載させて頂きました。
昨年同期よりも40筆も多くおよそ140の記載をいただきました。
皆様の観点、過ごされ方などが伝わり、またおおむねご好意を頂き有り難く思っています。
ご不満、ご不自由もあったのではと常に点検目配を心がけ、より良い場所を目指して行くつもりです。
都寿司のばら寿司 穏やかな柿崎海岸 遊べど尽きぬ子ども時代。
昨日今年の美術館を終了して本日午前中に撤収作業があった。私は診療所だったので妻たちによって順調に行われた。
昼食は作業を終えたスタッフと近くの都寿司でばら寿司をたべた。やさしく美味しく作ってあり、熱いお茶も有り難かった。
都寿司の電話 025-354-2185 昼食のずけ丼も美味しい。
午後の定期休診で柿崎海岸をゆっくり歩いた。ペンダント用のシーグラスを探したり写真を撮ったり千鳥を見たりした。
その海を放射能で汚す事は 神を汚すに似た行為に感じられる。 海だけは汚さないでと心から願っている。神や自然や人間にどこまでも寛容を求めるのは、甘えに見える。
さて、冬とは思われないお天気が続いていてキツネにだまされているようだ。
キツネといえば、その昔子どもの頃、近所の遊び仲間と当地の松林にキノコ採りに行った時のこと。
当時の松林は広大で、私たちは道に迷った。
仲間の一人が、この中に人間に化けたキツネがいると言い出した。
彼は木の枝を拾うと、尻尾を出せ、と言って皆を追いかけ尻を叩いた。
すると誰かが、おまえこそキツネだろう、と彼を追いかけた。
しまいに皆で手に手に棒を持って叩き合い、最後は笑い転げた。
そんな自分がいつしか老人になっている。
だが遊べど尽きぬ子ども時代はどこかで続いている。
本日で樹下美術館は今年の終了 土底浜の冬の草道は動物の背中のようだった。
本日お陰様で今年の営業を無事に終えることができました。「こんな良い天気になるなんて」という声があちらこちらから聞こえた好日、切れ目のないお客様でした。
新たな常連さんにも恵まれ、年を追ってわずかずつ増加を続ける来館者様。皆様には心から感謝致しております。
さて今週いっぱいで表向きの診療も終わる。それでこのところ在宅回りも早めに終わります。
本日久し振りの土底浜は屋敷跡の草地へ行きました。
そこから海の眺めが良い小さなこぶへ続く道があります。
以前来た時は緑深い夏草の道でしたが、今日は冬陽が当たるうす茶色の枯れ草の道。
清潔で暖かそうで、大きな動物の背中にいる感覚を覚えました。
東方面を見る。この先は四ツ屋浜、潟町、九戸浜、鵜の浜、雁子浜 、上下浜、三ツ屋浜、直海浜、柿崎へ続く。
西方に陽が沈みかける。もう海には沈まない。
ゆったり波打つ日本海の色が青みがかって、良いコントラストでした。
自分のふるさとには何かしら詩情漂う場所があり幸せに思っています。
間もなく今年の閉館 薄明光線(光芒、天使の階段、天使の梯子)。
昨年の12月閉館間近のころは雪や寒さに悩まされました。しかし昨日、本日とも降雪は無く風そう強からず、雨がちでしたがお客様にも恵まれました。
今年の閉館を惜しむ声が聞こえ大変申し分けなく思います。またカフェの常連さんはじめ皆様とのしばらくのお別れは辛いものがあります。
さて気を取り直しましょう。冬の雲は流れが早くその切れ間から時おり光芒が射します。気象用語としては薄明光線と言うらしいのですが、天使の階段とか天使の梯子の呼称もあるようです。
荒天の合間にさっと射す光の束は数少ない冬空の楽しみの1つですね。
昨日虹をみた上下浜に現れた明瞭な天使の階段。
普通は帯状ですが線状に現れ、このような光を初めて見ました。
良いことの知らせとして有り難く拝ませてもらいました。
明後日の最終日、お天気には頑張ってもらいたいと願っています。
「Be Witched(魅惑されて)」の ビル・スナイダーとアンドレ・プレヴィン お客様と虹。
去る12月20日のブログで映画「愛情物語」を観たことを書かせて頂きました。1956年公開の映画は白血病で亡くなったピアニスト、エディー・デューチンの物語で、劇中の演奏はカーメン・キャバレロが弾いていました。このことで華やかなキャバレロは一躍人気となり以後何度も来日しました。
学生時代、自分は黒人中心のいわゆるモダンジャズを聞いていましたので、ポピュラーなキャバレロに全く興味がありませんでした。しかしピアノが上手だった2つ上の先輩T氏はエディー・デューチンを評価し、当時ジャズプレーヤーだったアンドレ・プレヴィンをとても敬愛していました。この先輩のことは、バップ調の音楽を良しとしていた自分にとって大変印象に残りました。
年を取って気楽な音楽を好むようになるとビル・スナイダーのCDに出会いました。エディー・デューチン系列のプレーヤーで、より装飾的です。しかしキャバレロに比して品があり、「愛情物語」の音楽担当に際し彼の名が上がった、という話もうなずけます。
1950年代初頭のアンドレ・プレヴィンとビル・スナイダーの「Be Witched(魅惑されて)」がYou Tubeにありましたのでお借りしました。いずれもモノラルですがスナイダーはひたすらスイートに、プレヴィンは軽いジャズとして弾いています。
You Tubeにあったビルスナイダーの「Be witced」。
You Tubeのアンドレ・ブレヴィンの「Be wiched」。
タバコなどふかしていますが、すでに天才の誉れ高く、後にロンドン交響楽団の桂冠指揮者はじめNHKの主席客演指揮者まで世界を席巻しますね。
上掲の曲が入っている我が家のアンドレプレヴィン1951年の25センチLP(いわゆるトーインチ盤)。
帰郷に当たってお世話になった洋食屋さんからどさっと頂いたレコードの一枚です。
もとの持ち主はアメリカの軍人さんだったと聞きました。
当地は一度降った雪が消えています。本日日中は陽も射しました。樹下美術館は久し振りに賑やか。新潟、長岡、五泉の各市からご夫婦のお客様、ご常連さんもみなお見えになりました。皆様有り難うございました。
非常に若いおばあちゃんが家で5人目のお孫さんが生まれたということでお見えになりました。みな女の子さんで名前が食べ物にちなんで可愛い。私も知っていますがとてもチャーミングなお嬢ちゃんたちなのです。本当におめでとうございました。
それから夕刻、もしやという予感で上下浜に向かいました。しばらくすると案の定海上からホテルにかけて鮮やかな虹が架かりました。いつかここでという思いが叶いました。
あと23日と25日の二日jを残して今年の樹下美術館は終了です。美しい虹を希望の記しとして胸に刻みました。
届いた3Dキャンバス 冬の落日 テレビで「愛情物語」。
去る12月16日、カフェで絵を描いた事を掲載しました。その後高田の画材屋さんで小さな立体キャンバス(3Dキャンバスと言うらしい)を沢山注文しました。
ところが数日後の電話で、メーカーがそれを廃版にしたと知らされました。来春の作品展に用意しようと考えていましたのでがっかりでした。
でも諦めるわけには行きません。ネットは?とキーボードを打ちました。すると3枚1組の品が一店、それが7組もあるという店もヒットしました。ネットでは、時に在庫とあったものが確認メールで品切れと連絡されることがあります。案の定最初の店から欠品のメールがすぐに届きました。
しかし7組あるという店は、すぐ送るというメールで安堵。
現在34枚を乾かしては塗りを始めた所。21個の追加は満足としなければなりません。本日品が無事届き、あらためて頑張ろうという気持ちになりました。
届いた21個の3Dキャンバス。10×10×3,5㎝のサイズ。
制作中の椿。日本画風ですが油絵で、右脇に蕾を描いています。
大変小さな作品を祈るような気持ちで進めています。
今夜、映画「愛情物語」を観ました。戦前の人気ピアニストエディー・デューチンを描いた映画。これを学生時代に渋谷東急ビルの映画館(名画座の方)で観ました。親子でピアノを弾くシーンが印象的でしたが、今夜もまた良かったのです。
当時主演のキム・ノヴァクはスーパースターでしたが、今回ヴィクトリア・ショウという女優さんが非常にエレガントだったことを驚きをもって知りました。
樹下美術館のカフェではエディー・デューチンスタイルであるラウンジピアノ、あるいはスイートピアノと呼ばれるジャンルの音楽が混じります。演奏者は当映画の演奏者であるカーメン・キャバレロが「浜千鳥」を、ほかスタンダード曲をビル・スナイダーが弾いています。
二日続いた映画、正月にまた何か観てみたいなと思いました。
二年ぶりに映画をみた 利休にたずねよ。
このところ妻から映画「利休にたずねよ」のことがよく耳に入るようになっていた。あの人も見たこの人もと。
本日は午後休診なので初めてのJ-MAXシアターへその映画を観に行った。
日頃の自分はから回るするばかりの忙しがり屋で、しばしば家の中を走って移動している。そればかりでもないが、なかなか映画を観れない。
前回映画館で観た映画は2011年10月に世界館の「煙突の見える場所」が最後で、それはとても良かった。
ああ夫婦50割引の入場券。
通路の両側に幾つも劇場があるので驚いた。
生半可なお茶を引きずっている小生としては、せっかくだから何か一つでも詫び茶のエッセンスをと思ったが、いささか期待外れだった。利休の深さは執拗な秀吉らの嫉妬反感によって省略代理されている。切腹がゴールならば無理もないのか。
全体に忙しい運びの中で高麗の女との下りは見応えがあった。槿(むくげ)へのこだわり、簡素な茶室と化した女の死に場所の小屋、目だけの会話、聞き違えた最後の言葉。これが利休の原点ならば、ああそれも良いと納得させられた。この部分がテーマだったのだろう。
場面ではどーんと出た聚楽第と思われる建物と、北野大茶会(きたのだいさのえ)の臨場感はさすがだった。
利休自害後に妻宗恩が点てる鬼気迫るお茶や、いわくの茶入れを投げ捨てようとするシーン。
高麗の女といい、二人の女性が濁りがちな映画を澄んだものにしたと感じた。
今になって良かったとしみじみしてきた。
年の瀬にアルバムを考える。
在宅回りの訪問の時、高齢者さんがベッドでアルバムを開いていることがある。私は在りし日のモノクロ写真が好きなので、人様のアルバムでも一緒に眺めさせてもらう。
軍服のものなどは早めに飛ばされ、田植え時に皆して畦でおにぎりをほおばる写真などではこれは誰、それは誰々と教えてくださる。
警察官だった人やバスの運転手だった方のアルバムなども大変興味深かった。
さて先日のお宅で、私の為にとその方の兄さんが残したアルバムを用意して下さっていた。若き日の小生の叔父さんが写っているという。
B5ほどのアルバム。他でもこのように黒っぽい立派なアルバムを見た。戦前の流行だったのか。
昭和12年、若き日の叔父さん。父より3つ下、ハンサムで優しい人だった。
逞しい人生を歩まれ、今から15年ほど前に90才近い年で亡くなられた。
写真は満州時代に入院中の戦友を訪ねた時のものらしい。
人様のアルバムで若い叔父さんと出会い、よけい好きになった。
さて私たちにとって、誰かの人生を、誕生から老後まで見ることはそう容易でない。年下で若くして亡くなった人の人生は誕生や幼年時代から知り得るが,、最晩年まで見切ることは中々難しい。
またその人が長年生きて亡くなられる場合、大抵年上の自分が先に倒れるので多くは叶わない。
親や子についてもしかりであり、他者の長い生涯を目の当たりにするのは、よほど元気で長生きしない限り実現しない。
(6つ年下の人が90才で亡くなるまでを見るには、自分は97才まで正気で生きていなければならない)
ただ幼年、若年、青春、新婚などの写真がある人が長生きされた時、生涯はよりリ近くリアルに感じるだろう。
しっかりしたアルバムを残された昔の人たちはその点で立派だ。
人生では親子はじめ人の距離や情愛は様々な事に影響される。
しかし単に写真が揃っているか否かで、親近感に差が生じる事はあり得るかもしれない。
この事では、ペットにおいて事情が異なりそうだ。大抵生まれたてから、長生きなら老衰まで共に暮らし生涯を目の当たりにする。
先日樹下美術館を訪ねられた犬の飼い主さんが、長生きされた愛犬の死を大変に悲しまれたのもなずける。
いつか私も乱雑な写真をちゃんとアルバムにした方が良いのか。
また一般に、写真以外でも聞いてくれる人がいるなら、上手に自分の昔話を話す(伝える)ことも良いことだろう。
晩年の母から、幼少や青春の話を何度も聞かされたが、そのことで母を深く好きになった。
何はともあれアルバムはどんな人生でも自らを完結させ得る唯一単純な手段であろう(当面誰も見てくれなくとも)。
カフェで絵を描いた 教会のイルミネーション。
季節風が吹き荒れる昨日午後、美術館は暇であろうと電話をすると案の定だという。それで絵の道具を持参して二時間近く没頭した。
暇なカフェは一転して貴重な時間となった
手前は一枚ずつ使い捨てできるペーパーパレット。もう何冊も愛用しています。
お茶を飲みながらほおずきと椿の油彩を描き進めた。いずれも大変小さなサイズで来年5月の作品展のために描いている。
2002年の催しの時、店主の勧めで60点のうち25点ほど値を付けたら1日目でみな売れた。
非売とした作品をどうしても売ってという人や、非売作品と同じものを描いてという人もいて、やや苦痛な宿題を抱えた。
あの時のようにはならないと想像しているが、もしもに備えて小さな絵を沢山揃えてみることにした。
果たして当時の筆力を保てるのだろうか。
10㎝四方の立体キャンバスは、椿と辛夷で60点は準備したいと考えているが、、、。
現在34点に手が付いた。小さくとも、いや小さい故か、想像以上に肩が凝る。
美術館で粘った後、高田本町の大島画廊へ筆を買いに行った(大島画廊の界隈は呉服町と言うらしい)。
パステル用のアプリコット平筆が私の絵に合っているため一番小さいのを買い足した。
店員さんがパソコンを扱っていたので一昨日の聖子ちゃんを見てもらった。
うんいい歌だけど、先生が聖子ちゃん?高橋真梨子とかじゃないの。
はい、その通りなんです、という答しか見つからない。
行き帰りに見るカトリック教会のイルミネーションは安らぎを覚える。
厳しく荒れすさぶこの時期、クリスマスを機に入信する人が増えるのではないかな、とふと思った。
樹下美術館の雪 サンタの和菓子 忘年会 松田聖子のオンリーマイラブ。
本日、当地らしい荒れ模様だったが雪にならなかった。
昨夕は出務している特養ホーム「しおさいの里」の忘年会だった。ベテラン中堅、若者達で賑やかだった。
世の中の縁の下を、麗しい美男美女が支えている。めったにない100名近い勢揃いは壮観だった。
昼過ぎのカフェで抹茶を飲んだ。お菓子の可愛いサンタは初めて見た。
そして今夜センチュリーイカヤさんで美術館と診療所の忘年会。お世話になっている人も入れて17人で過ごした。
プレゼントの決勝は腕時計が当たるじゃんけん大会。看護師さんが当たった。 例年のカラオケも賑やかだった。
皆様のお叱りを承知して二巡目は恥ずかしげもなく松田聖子の「オンリーマイラブ」を歌った。私はある時期、松田聖子ファンクラブの末席を汚し、何度かコンサートも行った。滑稽で悲しい時代、告白でもないがあどけない二人の子どもと聖子ちゃんの明るさに助けてらったと断言出来る。
「オンリーマイラブ」はファンなら誰でも知っているコンサート定番のラストナンバー。このときばかりは皆立って大声で歌う。声量がありエネルギッシュなステージを忘れることは出来ない。
初雪の樹下美術館 ペットロスのグリーフケア ストラスブールのクリスマス市。
本日樹下美術館でも初雪らしい雪が積もった。5㎝ほどのビシャビシャの雪だが昨年より遅いと思う。
こんな日に5人のお客様が見えた。なかに愛犬を亡くされたグリーフを癒やしに、友人と共にお寄りになった人がいた。15才のワンちゃんはとても長生きだが、幼犬から老犬までの生涯を見た飼い主さんの悲しみは傍目にも気の毒だったようだ。
クリスマスが近い初雪の日にお骨を抱いて樹下美術館へ。ワンちゃんはきっと清らかに旅立ったことでしょう。ふとフランダースの犬を思い出しました。
昨日樹下美術館の庭でひっそりと咲いていたやぶ椿を妻が切ってきた。
花をテレビの前に置いたところ、フランスはストラスブールのクリスマス市の美しい映像が流れた。写真を撮ると画面に馴染んだ。
ストラスブールはドイツに近いアルザス地方の都市。この時期、フランス最大のクリスマス市が立ち、街中が美しいイルミネーションで飾られるらしい。子どもも大人も幸福そうだった。
海鳴りのお宅 澄んだ目の人たち。
訪問や往診で訪ねたお宅の部屋や玄関で、巣立った子供さん達が残した絵をよく目にする。
鉛筆、水彩、版画、みな力作。描いたお子さんの一生懸命さと、架けている親ごさんの愛情が伝わるミニギャラリーだ。
最近お訪ねしたお宅の部屋は、新幹線やほくほく線の電車の絵で一杯だった。
しかも多くの車両はテープで繋いでちゃんと車列にしてある。
訪ねてくる保育園のお孫さんが貼って帰るのだという。
本人の家が一杯になったのでおばあちゃんの所へ来て貼るらしい。
傍らにその子の写真があったが、くりくりした目で賢そうな顔をしていた。
しっかりした線やきれいな円が描けるなんて、この坊やには画才があるのでは。
ところで、部屋の隅に小さな扉棚があって一面にシールが貼られている。坊やのお父さんが子供時代に貼ったものだ。
家中に貼るので、ここに決めて貼らせていましたと、おばあちゃん。
シールと電車。親子の幼い熱中の部屋は何とも暖かい。
そのおばあちゃんによれば、子供時代のせがれさんを私が診たという。
「忘れもしません、その時先生は倅を見て賢そうな子ですね、って言ったんです」
ああ、そんなことがあったんですか、、、。
色々なことがつながっているんですね。
そういえば昨年亡くなったおじいちゃんも、澄んだ目をしていましたね。
冷たい雨の中、走って入った海鳴りのお宅は少し胸が熱くなるおうちだった。
敢えて冬に咲く花。
毎年ソメイヨシノよりも早く咲く桜の木が道路沿いにある。一週間ほど前からその桜が咲いているのを見ていた。
本日お宅の方が庭に出ていたので写真を撮らせてもらった。狂い咲きではなく毎年今頃と春の二回咲くという。春は他の桜に先駆けて満開になるのでとても目立っていたが、まさかこの時期も咲くとは気がつかなかった。
四季桜。何種類かあるらしいが、この小型でおちょぼ口の花は可愛い。
逆光にならない低い所のを撮った。
仕事場の庭で満開を迎えた白椿。
この所風が止んでいるので傷つかず、雪のように真っ白。
冬は雪も降れば台風並みの寒風にも晒される。悪い時期に敢えて咲く花にはやはり励まされる。
東京の食事会 ラウンジピアノ ターナー展 豆腐。
この週末一泊で上京した。一年に一回、時に二回、学生時代と病院医局をともにした三人の同級生夫婦で食事会が続いている。
うち一人がワインに造詣深いのでおよそフレンチになる。年と財布を考慮して今年は最後までグラスワインで通し、肉料理も外した。
ワイン好きは複雑でわずかなことにこだわり続ける。先日も100年前のワインを年刻みに用意し、皆で少しずつ味わう会に参加したという。飽くなき姿勢に一種可哀想な気もするが、本人はえへへ、と嬉しそうに笑っている。
最後にピアノのチョコレート・ジェラート。選ばれたデザートワインも合っていた。
食事を終えてラウンジに行くと黒人がピアノを弾いていた。ベースが付いているので深く包まれるような音になる。ラウンジピアノはジャズだが、バラード中心でグルーヴ感やテンションコードが抑えられた演奏は洗練されている。
ステージが終わると「拍手が嬉しかった」と言ってピアニストが私たちのテーブルに来た。とても良かったと褒めてマティニーをおごった。妻の隣に座ったが、「私、黒人がそばに座るの初めて」とびっくりした顔が面白かった。おしなべて黒人達は優しく楽しい。
51才の彼はロスアンジェルスから来ていて、渡辺貞夫と一緒にセッションをしたり録音したという。当夜のベーシストとともに、今でも各地でナベ・サダのステージに立つと言った。渡辺貞夫が元気に演奏していると聞いて驚かされた。
「My One And Only Love」をリクエストすると弾いてくれた。
翌日は「ターナー展」を東京都美術館で見た。ターナーはどれだけ耳目にしただろう、ついに見たという感じだった。ご承知のように英国を代表する画家。水彩で親しまれているが、油彩の大作も多く架けられていた。
全体に画調が薄いという印象を払拭出来なかった。劣化を考慮して照明を落としてあるが、極端ではないかとやや不満だった。但し大人気で場内は大変に混んでいた。
一夜明けて本日昼食は鶯谷駅前、根岸の豆腐料理「笹之雪」で。あんかけ豆腐は二つ付く。
店を訪ねた皇族方が美味しさの余りお替わりを所望し、以来二つ付けているという。
フレンチの翌日の豆腐料理、種類も多く楽しめた。店を紹介してくれた義理の兄に感謝。
図録以外の写真は妻のスマホで撮りました。以前の携帯に較べずっときれいに撮れるんですね。
初冬の庭で。
再び空がヒューと鳴って気温が下がってきた。あたりに冬本番の緊張感が漂っている。
以下の写真は一昨日の庭。まだ穏やかな陽が差していた。
真っ白になったススキの穂、雪囲いの中のバラ、木蓮の蕾、みなつかの間の陽を喜んでいた。
来週中にススキを切り、まだ青々しているトクサも切らなければ、いつ雪で倒されるかもしれない。
二つの陶齋生誕100年展 齋藤三郎(陶齋)の尽きぬ楽しさ。
昨夕、高田本町で開催されている二つの齋藤三郎(初代陶齋)生誕100年の記念イベントを見た。人口20数万の地方都市で特定芸術家の記念イベントが同時に複数行われる。極めて希なことであろう。
「坂口謹一郎と齋藤三郎 絆展」(ミュゼ雪小町)および「初代陶齋齋藤三郎展」(ギャラリー祥)の開催。齋藤三郎を飾る樹下美術館としては何としても見なくてはならない。
極めて旺盛な作陶を行った陶齋のこと、まだ見ぬ優品は随所にあるはずであり、期待は膨らむ。
閉館間際の訪問で館内は空いていたが、膨大な展示は期待に違わず驚きを禁じ得なかった。
そもそも陶齋の特筆の一つとして、「次は何」というファンの期待への見事な応答がある。
ファンは我が儘だ。同じ傾向に飽きやすく、新たな次を期待している。つまらない変化なら要らない、驚き感嘆させられるものと出会いたいと、容易ならざる期待をするのである。
それに対して陶齋は機種、技法、モチーフ、形状、描画、彩色ほか考えられる全てにおいて応えた。信じがたいことである。当時、待ちに待った窯出しに集まった人々の興奮と幸福が目に浮かぶ。
特に心引かれた作品では、ギャラリー祥の墨絵の如き端正な秋草の水指。そして思いもよらぬ常滑風の掛け花入れの焼き締めだった。過日陶齋は焼き締めを作らなかったと書いたばかりだったのに、特別な顧客の注文だったのか、とても驚いた。
ミュゼ雪小町は古いファンから出品されていて見応えがあった。高田で登り窯が出来る前の極めて早い時代に焼かれた、赤地に呉須で石榴が描かれた楽焼きは夢のようだ。当時この楽焼きを銀行や食堂の一角で売ったという歴史的な作品である。
ほかにこまやかに掻き落とされたノイバラ瓶の気の込め方は印象的で、赤地椿文銀彩瓶の立ち姿にはなんとも暖かな情がこもっていた。
それにしても齋藤三郎の磨かれた才能はどれほど多くの作品を生み出し、多くの人々を喜ばせたことだろう。草花を描き、世の中を気品の美で満たそうという壮大な気宇を感じさせる展覧会だった。
坂口謹一郎博士が繰り返し述べているように、陶齋が中央に出ず、越後に留まったことはやはり不思議である。
しかし翻って地元にとっては、なによりの福音となった。
●坂口謹一郎と齋藤三郎 絆展 12月28日まで ミュゼ雪小町
●生誕100年 初代陶齋 齋藤三郎展 12月8日までギャラリー祥
※陶齋作品は長く深く愛蔵されている。それらを一同に集めての展示は並大抵のことではなかったろう。関係者の皆様に深くに敬意を申し上げます。
ブログを見てホットサンド 黒バンドのチョーカー。
本日午後は週一回近くの高齢者施設へ出務の日。帰りに美術館に寄った。お二人の女性のお客様が見えて当ブログのホットサンドの写真を見て食べに来たと仰った。
一式運ばれてくるや一斉に携帯とデジカメで写真を撮られた。最初にご一緒して展示も見たが、詳しくて有り難いことだと思った。
最近シーグラスのチョーカーに黒いベルベットのテープを付けてみました。
早速本日お一人がお求めになった。とてもドレッシーに見える。
1600円で、あと一つ白のグラスがあります。
本日予報は曇り時々雨だったが、秋晴れに似た青空の一日だった。悪い予報はいくら外れても構わない。
夕刻外来にこられた男性は、外の現場だったが暑くて脱いだ上着を忘れてきてしまった、と仰った。
冬をすっきり。
一両日、静かに雨が降る。屋根や軒の絶え間ない雨音は雪解けの音に似ている。
しかしこれからが冬本番だ。
さていよいよ皆様の血圧が上がりはじめ、血糖値が上向jいてきた。毎年のことである。
寒さ、運動不足、高塩食品、始まった宴会、豊作だった柿。みな影響している。
結果として冬の4ヶ月、血管と内臓負担が増える条件が整い、密かに老化と病へ弾みがつく。
ところで今年の柿は豊作だった。HbA1cが上昇した何人もの人が「幾つも柿をたべた」と仰った。
大きめの柿なら軽くご飯1杯のカロリーはある。連日二つも食べれば血糖、ひいてHbA1cも確実に上がる。
柿は半分食べ、残りは明日で丁度いいかもしれない。
現在・将来の健康を深く意識すれば、良くない習慣も数日~1週間で改善は可能だ。
身体は正直で、良いことは待ってましたと反応する。胃袋はダウンサイズするし、強い塩気なども次第に苦っぽく感じてくる。
習慣による空腹は、仕事関連か趣味へ取りかかることで少しずつ避けることが可能になる。
大切な健康のため習慣に大きく流されることなく、すっきりと冬をすごしましょう。
先日の荒天に見えた晴れ間、黄色の木守が雲と青空に映えていた。
木守がハンカチ雲に包まれる
柿崎海岸の千鳥 絵葉書のコレクターさん トーストセットの昼食。
時に雨が混じったものの風もなく、穏やかな一日。午後柿崎海岸を歩いた。
ちーちーと小声で鳴く千鳥は久し振り。
皆して渚にいても、人が近づくとすぐに飛び立つ千鳥。散歩の人が多いので出たり戻ったり結構忙しい。
背が黒っぽく素早いため海上では波に同化して目立たないが、反転のとき群れが一瞬白い腹を見せるのでよく分かる。
海の後、遅い昼食をとりに美術館へ行った。道中の高速道路に沿った道で何種類か草の実を見た。降雪前のひととき、精一杯の色だった。
とても素早い海上の千鳥。
千鳥をみると母を思い出すので、浜千鳥→母千鳥のイメージ。
前にノイバラ、後ろがヤマブドウ。ゴージャスな山芋の実。 クリスマスリースに使えそうです。 |
わずかに残ったムラサキシキブ。寒さと共に急に色づくヒヨドリジョウゴの実。 美味しそうだが食べてはいけないらしい。 |
本日、驚いたことに県央からの男性が、40種類ほどの絵葉書全てをお買いになったと聞いた。絵はがきやパンフレットのコレクターさんだったということでした。コレクター恐るべし、有り難うございました。
昼食のこんがり焼けたトーストは美味しく、ハムと自家製のピックルスも良い味でした。およそ100年前の英国のコーヒーカップ、60年前のアメリカのパン皿。約2杯分のポットコーヒーが付いて800円。宜しければ齋藤三郎の湯呑でお番茶サービスもOK,です。
お見受けした若い男女のお客様、いつもの若い美人さん、落ち着いた中年女性の皆様、おくつろぎ有り難うございました。
本日12月1日、師走を迎えた。
年を取ったら一日一日を大切に、という。しかし大切にするヒマもなく過ぎてしまう、早いなあ、、、。
- 花頭窓、二十三夜塔、庚申塔、社寺
- 樹下だより
- 齋藤三郎(陶齋)
- 倉石隆
- 小山作之助・夏は来ぬ
- 聴老(お年寄り&昔の話)
- 医療・保健・福祉・新型コロナウイルス
- 花鳥・庭・生き物
- 空・海・気象
- 頸城野点景
- ほくほく線電車&乗り物
- 社会・政治・環境
- 明け暮れ 我が家 お出かけ
- 文化・美術・音楽・本・映画・スポーツ
- 食・飲・茶・器
- 拙(歌、句、文)
- こども
- 館長の作品。
- かって認知症だった人、晩年の「ありがとう」は「好き」だった。
- 妙高市はいもり池の近く「ギャラリー峨々」を訪ねた。樹下美術館も紅葉。
- 再び良寛椿の苗。
- 1本の木にキンカンとカラタチの実が。
- 秋晴れの日のゴルフ。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その3。
- 本日ジョケラさん初日。
- 明日からジョケラさんの展示会 高宮あけみ展のご来館有り難うございました。
- 別れ。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その2。
- 講演会「良寛さんに学ぶ」が無事終了した。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その1。
- 来たる11月7日からラッセル・ジョケラさんの展示会 晩秋の花 近隣のコハクチョウ
- 先週末の種々。
- 高田高等学校創立150周年の秋 いたくら桜園 近隣の秋。
- 「ラッセル・ジョケラ木工展」 可愛いお子さんとおじいちゃん。
- 本日今年最後の同業ゴルフ。
- 今夜のコンサート カッチーニの「アヴェ・マリア」。
- 信州は須坂で江戸時代の料理を食べる 満月、私達の奇跡。
- 失った1枚 栗。
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