盛会だった堀口すみれ子さんの講演会。

2012年4月22日(日曜日)

堀口すみれ子さんによる講演会「堀口大學を巡る人々」は、昨夕盛会のうちに無事終了しました。

 

 堀口すみれ子さん

講演で語られたのはお母様のこと、そしてマリー・ローランサンとジャン・コクトーでした。

母:世界を遍歴し、文化勲章に輝く詩人・フランス文学者は、40代後半に関川村(現妙高市)の18才になる娘さんと出会い後に結婚します。漱石の「心」を仏訳するため滞在していた野尻湖ホテルでの邂逅がきっかけでした。
20を越える年の差。しかし幾星霜のうちに隔たりは埋められ、睦まじい夫婦の格へと育ち上がる過程が話されました。

 

マリー・ローランサン:大學はスペインにおいて亡命していたマりー・ローランサンと出会います。多くの国の言葉を話す日本の若き詩人をローランサンは鶯にたとえて詩を贈ります。恋か敬愛か二人の親交によって大學はローランサンの詩書集を翻訳し日本に紹介するようになります。
ジャン・コクトー:天才の芸術家コクトーの著作も大學によって我が国へと紹介され、二人の親交は深まりました。大學の蔵書に記されたコクトーのドローイングの洒脱さと滑らからさは驚嘆すべきものでした。氏は1936年世界一周の旅で日本に立ち寄りますが、大學は心を込めてこの国を案内しました。
情熱や探求によって育まれる縁、変化を遂げる関係、、、。とても感銘深い講演でした。

 

蘖(ひこばえ)

この日、講演に先立って当地の男性コーラスグループ「蘖(ひこばえ)」によって堀口大學作詩の2曲が披露されました。ハーモニーは詩とともに心に響き、会場は豊かな情感に包まれました。
すみれ子さんは三回目のご講演でした。同じ人からじっくり聞く話の意義深さをひしひしと感じました。

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