西国・南国小旅行Ⅵ:母の故郷古枝から上峰町、鳥栖(とす)、博多へ。
旅行3日目の3月19日(月曜日)薄曇り。普段なら仕事の日であるが、休診の無理を聞いていただいている患者さんに感謝しながら一日を過ごした。福岡県→長崎県と来て本日は佐賀県へと入る。
目的は母の実家があった佐賀県鹿島市に行き、母ゆかりの菩提寺、酒蔵通り、古枝小学校、祐徳稲荷の訪問。これらの後唐津で借りていたレンタカーを返却して、肥前鹿島駅から長崎本線に乗車、従弟が住む上峰町へ行く行程だった。
この朝、寝坊して佐世保の出発が一時間以上遅れた。昨夜のホテルで睡魔をこらえて新聞を読むうち目覚ましをセットせずに熟睡してしまった。レンタカー借用の時間延長を申し込んで鹿島市へ向かった。鹿島までは順調だった。
以下はこの日の行程です。
酒蔵通り。 |
泰智寺。 |
母の生地古枝は肥前浜に近い。浜には古い酒蔵通りが保存されている。昔はここに銀行があり、通帳を管理していた小学生の母はしばしばそこへ通ったと聞かされていた。背伸びして銀行のカウンターで書類に記帳する。寡婦の母に少しずつ貯金が出来ているのが嬉しかったという。
右は菩提寺の泰智寺(たいちじ)、曹洞宗の古刹でなかなかの格調だった。過日は日野正平が自転車で全国を回る番組「こころ旅」で訪ねて来たと聞いた。
供養堂で。 | お庫裏の梅の下で。 |
菩提寺では遺影を前に優しいご住職に読経して頂いた。満開の梅の下で写真も。
古枝小、大きなキンモクセイの下で。 |
上越市板倉に似た風景。 |
古枝小学校を訪ね校長室で幾ばくかの図書費を寄付させて頂いた。親しく迎えていただいた中村校長は母方の親戚にあたる人だった。
ところで新潟で、時に母は2泊3日で板倉のショートのお世話になった。行くと風景が故郷に似ているとよく言った。このたびの古枝では確かに板倉と非常によく似た風景が見られた。
祐徳稲荷の門前通り。 |
壮大な祐徳稲荷。 |
この稲荷もよく聞いた。台風で夫(母の父)を亡くした妻のヤイは魚屋をはじめ、この門前町を顧客にして仕事を伸ばしたという。
いとことのT氏とお寿司屋さんへ。 |
奥に背振山。 |
午後2時にレンタカーを返し、3時すぎ長崎本線の鹿島を出発、佐賀を経由して従弟T君が待つ吉野ヶ里公園駅へ。T君は大学時代に東京でお会いして以来で、本当に懐かしい。全国展開のスーパーチェーンのリーダーとして活躍した人だ。沢山ご馳走して頂き恐縮した。
右の背振山は母の九大時代の医師がこの山の夕雲を歌にした。“背振嶺に腰うちおろし居し雲は夕方負けて流れ染めつつ”は母から何度も聞かされていた。この日夕雲は掛からなかったが、ついに背振山を見ることが出来て感激した。
母方の親戚と撮ったのか。 |
戦死した陸軍中尉の母の弟。 |
いとこ宅で二枚の写真をはじめて見た。左の母は母方の親戚たちと一緒にちがいない。とてもくつろいでいる。右の丸の軍人は母の末弟K氏だ。早く父を亡くし子守がてら赤ん坊の氏を背負って小学校へ通った母。成長した弟は大変に頭がよく抜群の成績だったと聞いた。
陸軍士官学校を出た同氏は敗色濃いレイテ島の戦闘で小隊を指揮して戦死している。昭和19年7月31日、満州牡丹江を発って5ヶ月、その年の12月20日アメリカ軍に対する迎撃戦だった。
手塩にかけ弟の早い戦死を母は最後まで悼み続けていた。かけがえない弟たちに稚拙な武器を持たせ容赦なく突撃死させる。聞きたくもないが、大切に育まれた人間達を簡単に死なせる戦争をどう正当化するのだろう。
K氏は密かに日記を付けていたという。表紙には極秘と記してあったらしい。上層の大局観か戦略を批判していたのかもしれない。
九州の交通要所として発展している鳥栖。 |
博多まで乗った特急つばめ号。 |
この日、時間に追われたことと一帯の様変わりで、母の旧実家を特定できませんでした。しかし古枝にいる間感じていた安心は、やはり母を育んだ故郷の暖かさにちがいないと思いました。
暗くなって従弟夫婦から車で鳥栖まで送って頂いた。そこから特急つばめ号で博多駅に着いた。明日は早い山陽新幹線と飛行機で帰路につく。慎重に目覚ましをセットしフロントにコールを頼んで寝た。
高等小学校卒業年の母の通知書。
ある種不遇の8年間を皆勤で通した母。
これらの証書はこのたびの実家訪問で初めて見ました。
越後で何かと変人扱いされた母、済んだことですが勝手に名誉回復を願い、
掲げさせていただきました。
まったく早いもので一週間前の土曜日夕刻に新潟空港を発ちました。毎日長々と書きご迷惑をお掛けしています。次回に最終3月20日(火)の行程を記し、その後まとめを書くつもりでおります。
ご家族で年間20回以上樹下美術館へいらしていただいているKBさん、ごちそうさまでした。
近江八幡のハリエ製のバウムクーヘン、本当に美味しいですね。
- 花頭窓、二十三夜塔、庚申塔、社寺
- 樹下だより
- 齋藤三郎(陶齋)
- 倉石隆
- 小山作之助・夏は来ぬ
- 聴老(お年寄り&昔の話)
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- 拙(歌、句、文)
- こども
- 館長の作品。
- 晩秋好天の日のゴルフ 朝日池のコハクチョウ。
- かって認知症だった人、晩年の「ありがとう」は「好き」だった。
- 妙高市はいもり池の近く「ギャラリー峨々」を訪ねた。樹下美術館も紅葉。
- 再び良寛椿の苗。
- 1本の木にキンカンとカラタチの実が。
- 秋晴れの日のゴルフ。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その3。
- 本日ジョケラさん初日。
- 明日からジョケラさんの展示会 高宮あけみ展のご来館有り難うございました。
- 別れ。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その2。
- 講演会「良寛さんに学ぶ」が無事終了した。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その1。
- 来たる11月7日からラッセル・ジョケラさんの展示会 晩秋の花 近隣のコハクチョウ
- 先週末の種々。
- 高田高等学校創立150周年の秋 いたくら桜園 近隣の秋。
- 「ラッセル・ジョケラ木工展」 可愛いお子さんとおじいちゃん。
- 本日今年最後の同業ゴルフ。
- 今夜のコンサート カッチーニの「アヴェ・マリア」。
- 信州は須坂で江戸時代の料理を食べる 満月、私達の奇跡。
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