2012年1月16日

海沿い山沿いの雪  38(さんぱち)豪雪のこと

2012年1月16日(月曜日)

一般に海沿いは山沿いに比べて雪が少ない。今年はその違いが顕著に現れていて、16日は上越の山沿いで280㎝に届いたため市に災害警戒対策本部が置かれたほどだ。

 

もう頻回の雪下ろしが始まっているという、にわかに信じられない状況だ。

 

潟町の駐車場
いつまで続くか分からないが、ほとんど雪がない当院の駐車場の様子。

 

ところで当地海沿いでも雪下ろしは昭和30年代や60年前後の豪雪で経験している。中でも、38豪雪と呼ばれる昭和38年(1963年)の雪は出来事としても伝えられる。

 

雪は学生だった私が冬休みで帰郷した直後から降り始めた。あちらこちらで立ち往生した列車内の宿泊や炊き出しの様子が途切れがちな報道によって知らされた。

 

その年の町のたよりに「早く雪下ろしをしましょう」というような知らせが載った。記事の写真は我が家だった。山のような雪を乗せた木造三階建ての家は異様な光景だったと思われる。高い屋根に上がった職人さんたちのことが心配で仕方がなかったと後々まで母が言った。

 

豪雪によるたびたびの停電も印象に残る。帝国石油によって可能になったガス灯を点けたが、心細さを伴った小さな灯りがよみがえる。

 

その帝国石油の社員として秋田県から来られたご夫婦にその時の話を聞いたことがある。秋田の雪は非常に軽く、みな風で吹き飛んだしまう。しかしこちらへ来て初めて雪が重いことを知ったという。

 

豪雪のころ、自分たちは借り屋住まいだった。大家さんはお年寄りで、私たちに雪を下ろしてと言った。いざ屋根に上がったが恐くて仕方がなかった。一緒に上がった奥さんは長女を身ごもっていたので生きた心地がしなかったと、振り返られた。

 

降り過ぎる雪への忍耐にも限界があろう、行政のフル活動が求められている。

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