2011年12月14日

ロタウイルス大規模流行の洗礼

2011年12月14日(水曜日)

自分が学校医をしている小学校が感染性胃腸炎(ロタウイルスの可能性)の大規模で執拗な流行に見舞われた。主要な症状は下痢である(初期には嘔吐、発熱もしばしば見られる)。

 

初期を過ぎれば回数は減るものの下痢は執拗に続く。12月5日から始まった流行はまだ終息せず、明日から二日間、土日を入れて4日間の休校の対応となった。この間保健所の指導の下で全面的に校内の消毒が実施される。

 

入院者が出ていないのが不幸中の幸いだが、決して油断はできない。

経過からいくつかの問題を感じた。

①年令ロタウイルス感染は一般に乳幼児をターゲットに流行する。しかるにこのたびは小学校が直撃された。直近の二つの保育園では目だった流行がみられていない。なぜなのだろう。

 

②規模と限定性上越市内では単発的な感染性胃腸炎が断続してみられている。それがなぜ当校だけ集団感染を起こしたのだろう。500人規模の学校で既に90人近い発症だという。発症数は後日訂正された数にしてあります(12月16日)。

 

③トイレの少なさ当校は秋以後、来年7月を目指して3階建て一棟の校舎を建て替え工事中であった。昨日そのことが気になって尋ねてみた。工事によって男女別に合計6カ所のトイレの使用が出来なくなっていると知った。残ったトイレを使うので通常のほぼ1,5倍の混雑が推定された。

 

以上感染年令と強い限定性などから、特異な要因が想定される。普段から学校の保健衛生への取り組みは熱心だった。特殊な原因があったとすると工事によって減少したトイレ、その結果生じた混雑使用を無視できるだろうか。

 

発症した場合の下痢(あるいは嘔吐も)は激烈だ。児童たちが混雑するトイレで我慢を強いられひどい失敗をしたり、落ち着いてあと始末が出来なかったりしなかっただろうか。あるいは混雑による濃厚な汚染によって清掃が間に合わなかったなどはなかっただろうか。
もしこのようなことが常態化していたとすれば、他に明確な原因が無い限りトイレの実情は極めて憂慮されよう。

 

そして濃厚なウイルスの汚染持続は年令を超える流行となった可能性がある。ウイルスは常にターゲットを求めている。それが突然爆発的に流行するには特別な隙間を考えざるを得ない。

 

果たして対応は消毒だけでよいのだろうか。

 今後ノロウイルスもまだあり、しばしば消化器症状を伴うインフルエンザの流行が本格化する。
当校には生徒数に見合った数のトイレを早急に整備する必要があろう。簡易ではないしっかりとしたものを是非ともお願いしたい。 

 

 このたびは養護教員から色々相談を受けたが如何ともし難く反省している。保育園への伝播や重症者が出ないことを切に願うとともに、トイレの件を教育委員会にお願いすることにした。

 

クリスマスイルミネーション大潟区犀潟駅のクリスマスイルミネーション、商工会がペットボトルで造った。

子どもたちが早く元気になり安心してクリスマスを迎えられますように。 

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