お年寄りから頂いた手作りの花札 

2011年12月20日(火曜日)

毎月訪問するお年寄りから花札を3枚頂いてきた。

花札
「足腰も頭も回らなくなって何も出来なくなりました」とおっしゃる。 

 

 恥ずかしいけど花札を見ますか、と言って用意した袋を開いてくださった。古びた花札が入っていた。驚いたことに、若い時に自分で作りましたと言われた。

 

台紙は厚いケント紙にタバコのピースの箱紙を貼り合わせる。黒インクのペンで輪郭を描き、墨と色絵の具で塗ったという。裏表に蝋を使って仕上げてあった。

 

上手な絵、丸く取ったかど、ふちの折り込み、作りはまことに丁寧で堅牢だ。売っている物に見劣りしないばかりか、オリジナルの価値も感じられる。

 
一組48枚、何組も作って人様にも上げました、と。もうじきお正月、これで遊んだ子ども達や家族の楽しげな様子が目に浮かぶ。

 

何て素晴らしい、本当にお上手だ、見たことがありません、と感嘆した。ああ恥ずかしい、でもそんなに褒められて嬉しい、と沈んでいたお顔に笑みが現れた。

 

ずっと短歌も詠み続けたということだった。昔をあなどるなかれ、昔の人をあなどるなかれである。

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