だれがやるにしても 脱原発への道のりは
少々長くて本当に申し分けありません。昨日の続きとなる会見がありました。首相のすじとして一定の方向が表明されましたので、以下個人的な拙いまとめをしてみました。
単なる延命のネタであってもかまいません、腐っても首相です、会見によって脱原発が初めて国のマターとなったのですから。
以下本旨です。
菅直人首相は13日夕、エネルギー政策に関して記者会見をした。これまで首相は退陣の目途として以下の三法案の成立を挙げている。
1・第2次補正予算
2・再生可能エネルギー法案
3・公債特例法
1,3番は実務的な案件に類するが、2番は国幹に関わるいわゆる政治的課題であり、菅氏が最も力点を置くものと捉えられている。政治家なら当然と考えられる。
以下は会見の要旨で、本日のYahoo!ニュースからロイター通信が伝えた記事をもとに首相の見解を概略してみた。
●福島原発事故によって原発に依存しない社会を目指すべき、との認識に至った。
●原子力発電は計画的、段階的に依存度を下げ、将来は原発がなくてもやっていける社会を実現する。
●当面のエネルギー需給見通しについては、15%の節電によって十分に、この夏、さらには今冬に必要な電力供給は可能。
●原子力安全・保安院は経済産業省との分離が必要。
●原発再開をめぐる統一見解での混乱については、私からの指示が遅れることによって迷惑をかけたことは申し訳なかった。
●エネルギーや社会のあり方は国民が選択すべき大きな政策。脱原発への道筋について基本的なところから積み上げる必要がある。
●現在稼働中の原子炉について、今後、中長期の議論を行い、計画を固めたい。私の段階だけですべてできるとは思っていない。
●エネルギー政策の問題で解散するしないは一切考えていない。
以上、脱原発への見解としては極めてまっとうな内容となっている。
会見に前後して身内である民主党議員によって以下の動きがあった。
民主党の吉良州司、長島昭久両衆院議員らが13日夕、首相官邸に仙谷由人官房副長官を訪ね、菅直人首相の即時退陣を求める同党若手の衆参両院議員11人連名の文書を提出した。吉良氏らは今後、党所属の全議員に賛同を呼び掛ける方針だ。
文書は、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働をめぐる政府の混乱について「菅内閣の機能は完全に崩壊した」と厳しく批判。特に首相の対応を「内閣の一体的運営を自ら放棄した」と非難し、「菅首相の下での復興は実現不可能」と断じた。また、電力需給の逼迫(ひっぱく)に備え、定期検査が終了し、安全性が確認された原発の早期再稼働を要求した。
ー以上時事通信7月13日(水)17時36分配信から抜粋ー
この行動からこれら議員のエネルギー問題への見解として
●電力需給が逼迫している。
●定期点検が終了して安全性が確認された原発から再稼働。
が示され、菅氏の見解と対立している。
首相は課題を集約しましたが、無政府状態はいっそう明白となりました。どう推移するのでしょうか、以下二点を妄想してみました。
●会見で菅氏は“エネルギーや社会のあり方は国民が選択すべき大きな政策”と述べて、国民の選択を強調した。そのうえ今夕の民主党議員の動きなどからエネルギー論は党派を超えるマターであることが鮮明となった。
●首相は脱原発への道付けを是非とも我が手で行いたいと考えているふしがある。そのために以下が想定されていたのかもしれない。今夕の一部議員の行動は想定(解散)を動かすスイッチとなることも想定され、事態はいやがおうでも切実さを強めている。
本日の意見表明→議論高揚の必然→止めろ止めないのすったもんだで各党、各議員に踏み絵の必然→決着は解散・総選挙→脱原発的政党の形成→実現への長い道程の始まり。
そもそも民主党はブーム(現象)集団だったのでしょう。当選するのに都合がいい、という。そんな党の政治ならば参院選で負けるのも、大震災の対処でもたもたするのも、いつか崩壊するのも当然なのかもしれません。
選挙などしている場合か!はもちろんです。しかし残念ながらすでに無政府状態が現出しているのですから、党首を替える試みなどでは無為な騒動を続けるばかりです。前に踏み出すには解散しかないのではないでしょうか。
もしかしたら民主党の崩壊が国会の解散と同義語という皮肉な結果です。
大震災は地殻を揺さぶり多くの犠牲者と避難者を生みながら、一方で政治と私たちをも激しく揺さぶっているのではないでしょうか。しかし、これから日本復興の本格的な第二ラウンドが始まるのでしょう。
歯がゆいことに時間を必要としていますが、すべて日本の政治が辿った延長線から逃れられない現実だと思います。
長くなりました、果たしてどうなるのでしょうか。解散するにしてもしない場合も、静かで腹の据わった賢人(集団)への集約の始まりと、国の脱原発ベクトル確立を心から願っています。
仕事の後、美術館の庭に水遣りをしました。
関田山脈にみるみる積乱雲が発達していました。
いつしか月が登り、庭のキキョウが恥ずかしそうな顔をしていました。
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