バラの花の絵 その1

2010年12月5日(日曜日)

 上越医師会報一月号の表紙の番が回ってきました。一昨年は白花デンドロビューム、昨年は椿の蕾を描きました。今年は夏にスケッチしたバラに決めて作業を始めました。うまく描けたら年賀状にも使うことにしています。時間が少々足りませんので花だけを描くことにしました。

 

 ところで拙ブログには植物画やボタニカルアートの検索から入って来られる方がよくあります。水彩画ボタニカルアートは思ったよりも難しく検索して研究されているのかもしれません。

 

 ボタニカルアートの困難のうち、前半の転写部分を上げてみました。
①本画となる厚いケント紙(ボード)には余分な鉛筆の消し跡などは残せない。
②そこでスケッチから得た輪郭線のボードへの転写には工夫が要る。

 

 今日は小生が行っているスケッチ→ボードの転写を説明してみます。昔の教則本にはトレーシングペーパーからボードへの転写は、トレース紙の裏を鉛筆でこすり、その上から輪郭をなぞってボードに写す方法が書かれていました。これですとボードが鉛筆の粉で汚れますし、それを落とすための消しゴム跡が彩色作業に不都合な影響を残しました。

 

 そこで画材屋さんに色々相談して、着物の型どりなどに用いるチャコペーパーを使うことにしました。チャコは水で消える性質があります。ボードに転写したチャコの輪郭線をペンシルでなぞって写し、余分なチャコは水筆で消すという方法を続けています。チャコペーパーは画材屋さんで求め、黒もあるようですが、私は青を用いています。

 

 パソコンが発達した今日、方法はとても原始的に見えます。しかし私の不明かもしれませんが、厚いボードに輪郭線をコピーできるプリンター技術を知りませんので現行を採用しています。作業は少々厄介ですが、工芸風の過程は嫌いではありません。

1スケッチ 
スケッチ
2輪郭線
輪郭線をトレーシングーペーパーに

3ボードにチャコペーパーとトレーシーペーパーを載せる
ボードにチャコペーパーを乗せ、その上にトレース紙を乗せてペンシルでなぞる。

4ボードに写し取ったチャコの輪郭線
見づらいですが、ボードに転写されたチャコの輪郭線。
5チャコの輪郭線をなぞる
ペンシルでチャコの線をなぞる 
6チャコを消してなぞった輪郭線だけ残す
水を含ませた筆でチャコを消しさる 
   

 スケッチは当初から一般の半紙(コピー紙)に描いています。画用紙にくらべればはるかに消しゴムが良く効くからです。スケッチはBの鉛筆で、トレースや転写には0,3㎜のシャーペンを使っています。そもそもモチーフには輪郭線などはありませんので、リアリティを高めるために出来るだけ細い線をと思っています。 

 

 今回は茎や葉を省略しました。厳密にはボタニカルアートと言えないかもしれません。また表紙や葉書のサイズを想定して上方の花弁を低くしましたら少々迫力に欠けました。我が手のけがれを反省して書き直すつもりです。

 後日、彩色から掲載してみます。彩色はいつも自信がなく戸惑います。

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