急行能登のトイレにアールデコ

2010年4月25日(日曜日)

本日夜中、金沢から急行「能登」で直江津に帰ってきた。金沢を22:29に発ち上野に早朝に着くいわゆる夜行列車だ。今年3月、廃止となって多くの鉄道ファンが最終運転に集った。なのにまだ走っていて驚いた。週末や行楽シーズンに臨時で走るそうだ。
寒い夜、人気のないホームで急行を待っていると、学生時代に戻っていく錯覚を覚えた。

 独楽吟
岡本信弘編 グラフ社 2010年1月発行

 車中、妻は読みかけの本を膝に置いて眠ってしまった。その本を取って読ませてもらった。橘曙覧(たちばなあけみ)の「独楽吟(どくらくぎん)」という本だった。曙覧は正岡子規も憧憬したという江戸後期の歌人と知った。とても良く、52首の短歌は疲れているはずの頭に吸い込まれるように入ってきた。

急行能登
ミッドセンチュリー風の急行能登

灯り
アールデコ調の灯り。放射状の線は影。

 さてこの度、能登のトイレで楽しい発見をした。何気なく見上げた灯りがアールデコ調。侘びしい夜行列車の片隅にこんなデザインがあろうとは。そういえば能登のフロントビューや洗面所の灯りにはミッドセンチュリーの面影が漂う。乗り物のデザインは練りに練ってあるはずだから、列車はちょっとした美術館だ。

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