博物館の現状(文化変調)

2010年4月22日(木曜日)

皆様のお陰で、樹下美術館は今年6月に開設三周年を迎えようとしている。そんな折りの4月18日、当地の朝日新聞一面トップに「博物館休業の波」が載った。

文化変調 博物館法でいう施設は博物館のほか、美術館、水族館、動物園なども含んでいる。記事ではいわゆる博物館に見られる困難のきざしを文化変調として取り上げていた。

 

戦後一貫して増え続けた施設。それが日本博物館協会の調べで2008年末に初めて実働数が減少したという。全国で4041カ所の実働で前年より21館の減少だった。 運営を支える作品・資料の購入費ゼロが57%もあり、予算減額の館が50%という惨状だった。

特に全国で三分の二を占める公立館における状況に厳しさが見られるようだ。

そもそも長期の施設乱立から合併へ。自治体博物館における収蔵量の膨大化と埋没する個性の困難は、想像に難くない。

 

また昨今、テレビとウェブの進化によって居ながらにして高質な画像・映像が提供され、自在なテーマ検索が可能になった。博物館に足が遠のく誘因の一つかもしれない。

 

美術館も安閑としていられない。 「この時代ほんとうに美術館ですか?」、三年前の樹下美術館の開設の際に言われた。その通りだと思ったが、皆様に支えられて今日まで来た。今後も小館ながら、小館ゆえにこだわりとエヴァーグリーンを胸に歩みを進めたい。

 

ささやかであっても文化の非日常が日常の中にあることの楽しさ。樹下美術館はそのようなことを思っています。

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